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2017年6月26日 (月)

吉田分校(4)

吉田分校(4)

 

さて、ボートの話にもどろう。 私は6月末の対同志社ジュニア戦(2000m)と7月末の対東大ジュニア戦(3200m)のエイトのコックスとなった。

 

エイトは漕手が8名。 舵手(コックス)が1名。 

右舷(バウサイド)前から1(バウ)、35、7番。 

左舷(ストロークサイド)前から2468(整調)。

船尾にコックス。 

 

漕手は進行方向に背を向けている。 前方が見えない。

バウは前から全員のオールが見渡せるから、他の漕ぎ手の欠点が見える。 

4番オールが浅い」、「7番引きが弱い」とか。 バウはレースの時には相手クルーをやじる。

 

整調は常に模範のピッチで漕ぎ、他がそれに従う。 

戦況、疲労状態を考え、コックスと相談し、コックスが号令する。 

「ピッチ37でゆこう。 さあ行こう。」 すべてリズムが大切だ。

 

瀬田川で練習するときにはコーチは川岸を自転車で走ってメガホンで指示する。 

「パドル50本!」。 

コックスはコーチの言葉を受けてメガホンで「パドル50本いこう。ピッチ38! よーい、ロー!」。 

コーチは陸をはしりながら、

3番キャッチが甘い。」、「5番引きが短い!」、「2番蹴りが弱い!」とか。

 

湖面の静かなとき。 琵琶湖で練習することもよくある。 

コーチがモーターボートで艇についてくるときには競艇用のエンジン音がやかましくて我慢ならない。 

コーチがはるか西側の岸を自転車で走りメガホンで怒鳴るときには、かなり静かである。 

「イージー、 イージーオール」  漕手全員がオールを左右に水平にして、艇のバランスをとり、惰性で進行する。

 

湖面のあちこちにのんきに浮かんで首をのばしていたカイツブリ(水鳥の一種)が、艇を避けて一直線に20メートルほどツツツーと走って潜る。

 

北に向かう。 左舷(西岸)には比叡山の5月の緑、頭上には真っ青な空と太陽、右には水面と遠方に青色にかすむ伊吹山系が見える。  

鏡のように静かな湖面はこれらを映している。 私達は半球の空間の中心に浮かんでいる。

東岸には背の高い葦が生えていて湖の沖に向って定置網(えり)が仕掛けてある。 右手に「えり」を見ながら静かな湖面を北上するときは沢山の渡り鳥が浮かんでいて、艇が近づくとさーっと群れになって飛び立つ。 

瀬田川で練習しているときとはちがった広々した気持ちになる。

 

5月には新入生たちの学部レースがある。 彼らは本チャンの合宿所に泊まる。 

終了後コンパ 石山寺の紫式部が源氏物語を執筆していたという場所までランニングして駆け上る。 ああしんど。

 

通常は学校から帰ると4時頃クルーがそろい準備運動をしてから艇に乗り練習にはいる。 

薄暗くなるまで練習して、艇を艇庫におさめて最後の体操をして合宿所にもどり、公衆浴場へ。 そしてガヤガヤと飯。 マネージャーは大きな釜に炊いた米7割、麦3割の飯をドンブリについでくれる。 通常は副食はやはり大きな釜で炊いた鯨肉、じゃがいも、にんじん、ごぼう、なんでもありのごった煮。 ミソ味、カレー味、ポタージュ味、酒かす味。

 

暑くて寝苦しいときには艇庫の観客席に寝転んで空を見る。 満点の星空。 天の川、白鳥座。 あるときは散歩で蛍谷へ散歩。 ここは蛍がたくさん飛んでいて、すこし涼しい。

 

Yoshida4

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